【実録】2023新名神高速道路で「立ち往生」が起こった原因は大津付近の〇〇?対向車線から見たリアル
![](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2023/01/立ち往生-1.png)
2023年1月び新名神高速道路で起こった車の立ち往生は、事前に「10年に一度の寒波がくる」と警戒されていた中で起こった出来事です。
各メディアではこの立ち往生の原因を
- 名阪国道の通行止め
- 京滋バイパスの通行止め
- 三重県内の大雪
と報じてますが、果たしてそれだけでしょうか?
まさにこのとき新名神高速道路の反対車線(上り線)を走行していた私が、実際の下り線がどうなっていたのか、直接見た様子をお話しします。
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
個人的感想です。
「立ち往生」の原因は大津付近で起こった路面凍結では?
![](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2023/01/IMG_9736.jpg)
立ち往生は多様な因子が複合的に重なり合って起こりますが、その原因の一つは道路渋滞です。
では、今回の立ち往生で渋滞を引き起こした原因がどこにあったのでしょう。
私は、大津付近の路面凍結の影響が大きいと考えています。
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
立ち往生した直接の原因は積雪。
じゃあどうして別の場所の路面凍結が原因になるか説明するよ。
その前に除雪が難しかった話から。
除雪できない原因は渋滞
積雪時の高速道路では除雪作業が行われます。
ただ、道路上が渋滞してしまうと除雪作業は滞ります。
実際に今回の新名神高速道路下り線は、50〜60キロメートルに渡り渋滞が発生しました。
しかも、滋賀県大津付近から亀山付近まで、車が進まない時間帯があったのです。
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
新名神高速道路の下り線は、亀山から大津まで車が全く動いてなかったよ。
立ち往生の現場は渋滞していたのか?
24日、23時ころの道路状況を示した画像がこちらです。
![](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2023/01/024-576x1024.png)
![](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2023/01/023-576x1024.png)
著しく渋滞していたのは大津IC付近と京都東IC付近
23時ころの名神高速道路下り線では、大津IC付近と京都東IC付近が黒で表示されています。
また新名神高速道路下り線では、甲南PA手前と土山SA手前が黒で表示されています。
これは、前に進まないほどの渋滞を意味します。
いっぽう菰野ICから亀山西JCTの区間は緑で表示されていて、渋滞していないことが分かります。
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
この時はまだ車の流れがあったんだろうね。
草津ジャンクション付近の不思議
草津ジャンクション付近の様子に注目すると、興味深いことが分かります。
草津ジャンクションに至る名神高速道路下り線は、すでに黒く表示されています。
いっぽう新名神高速道路下り線はオレンジで表示されていて、少なくとも車の流れがあったと考えられるのです。
つまり、新名神高速道路の渋滞を、「京滋バイパス」の通行止めだけでは説明できなくなるのです。
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
渋滞の原因が京滋バイパスの通行止めなら、草津JCTがボトルネックになるはずで、名神だけ黒くなるのが不自然だよ。
さらに、そのあとの大津や京都東が黒くなるのが説明できないね。
【実録】トラックドライバーが見た名神・新名神上り線の様子
私は同日、四国から三重県を目指す運航中でした。
この時の様子を上り線から見ていますので、できるだけ時系列に従いお話しします。
名神高速道路の渋滞を把握「約20キロ・3時間」
茨木千提寺PAを出発
渋滞状況を確認
京都通過
路面凍結した京都東を通過
草津PAに到着
新名神の亀山西JCTから菰野ICが通行止めと知る
鈴鹿ICから一般道路に出る
「20キロ・3時間」の渋滞予想
20時よりも前にVICSで流れたのが、20キロに及ぶ渋滞の情報です。
「交通集中により京都東インター付近を頭に、大山崎ジャンクション付近まで約20キロ渋滞しています。
この渋滞を抜けるのに、およそ3時間かかります。」
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
ええっ!3時間も?
茨木千提寺パーキングで休憩をとったあと、再び本戦に入り三重県を目指します。
路面に雪はありましたが、走れない状況ではありませんでした。
この時はまだ渋滞のメカニズムがよくわかっておらず、帰宅時の交通集中くらいに思っていました。
原因がわからない
高槻ジャンクションで名神高速道路本線と合流すると、早速渋滞が始まりました。
京都東インター付近は確かに渋滞が発生しやすいところです。
しかし、そこから20キロの渋滞は、私にとって決してよくあることではなかったのです。
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
雪が降ってるとはいえ、何でこんなに渋滞するんやろ。
何で京都東なんやろ。
私は渋滞の原因がよくわからず、モヤモヤしながらトラックを東に走らせました。
対向車線に渋滞がない不思議
しばらくしてある違和感に気がつきました。
下り車線に車がいないのです。
その場所は、大山崎ジャンクションと京都南インターの間で、京都方面からくる車がまばらだったんです。
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
何で下り線には車がおらんのやろう?
上り線と下り線の全く違う状況に、頭がついていきません。
確かに下り線で事故発生の情報も入っていましたが、それでも妙な違和感を感じる道路状況でした。
京都東に何かある!
あまりにも車が進まず、同じ位置に15分止まり続けることが頻繁になってきました。
私は道路状況を見るために、地図アプリやナビアプリを駆使して、道路状況の把握に努めました。
すると、上り線・下り線ともに、京都東インター付近を先頭に車が大渋滞していることがわかったのです。
そして、その場所には事故を知らせるマークがなかったのです。
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
京都東になんかある!
私は渋滞の原因を作っているものが、京都東インター付近にあると直感しました。
それが事故なのか、故障車なのかスタックした車なのかはわかりませんが、そこに行けば渋滞の原因がわかると思ったのです。
ちなみにその時点の亀山付近は、渋滞を示しながらも、立ち往生している様子はありませんでした。
凍結した下り坂をまともに走行できない(渋滞の原因)
京都南インターから京都東インター間には、勾配のきつい坂があります。
渋滞開始から6.7時間が経ち、私はいよいよ京都東インター付近にやってきました。
上り坂に差し掛かったころ、目前のトラックが低速で横滑りしました。
後輪がスリップしているのです。
積雪でグリップするスタッドレスタイヤですが、凍結時には弱い側面を持っています。
京都東インター付近の坂道が凍結していたんです。
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
渋滞の原因は凍結やったんか!
私は渋滞の原因を知ることが出来ました。
かくいう私のトラックも、上り坂で空転を起こしかけてヒヤッとしました。
その後下り坂になった途端、状況が一変しました。
渋滞が全くなくなったんです。
慎重な車は第1車線をゆっくりと、間隔を開けて走行します。
いっぽう速度の速い車が、第2車線をあっという間に駆け抜けて、遥か遠くに走りさっていきます。
上り線の渋滞の先頭が京都東だったのは、そういう理由だったのです。
対向車線(下り線)が地獄絵図に変わった
大津まで走ると私の走行も安定してきました。
余裕ができて初めて気がついたのが、下り線の渋滞です。
京都では渋滞もなく走行車両がまばらだった下り線ですが、いつの間にか大渋滞に変わっていました。
さらに、大津付近でスリップ事故を起こした車がいたようで、多くのNEXCO作業員が対応に追われていました。
下り線では車が全く動く様子がなく、まさに地獄絵図になっていたんです。
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
大雪のなか作業をしてくれ人たちには、頭が下がる思いでした。
全く動かない新名神下り車線
私が草津SAに辿り着いたのが午前4時こえおで、高槻ジャンクションからすでに8時間が経過していました。
休憩のあと新名神高速道路を亀山方面に向けて走り出しましたが、下り線は渋滞したままでした。
上り線が走行できるのに対して、下り線は動く様子がありません。
信楽を過ぎても甲南を過ぎても、下り線には停止したままの車が延々と並んでいます。
亀山付近の通行止めが発表
走行中にVICSから亀山西JCT以降の通行止め情報が流れたので、私は鈴鹿ICで高速を降りることにしました。
その間対向する下り線は途切れることなく、全て車で埋め尽くされていました。
立ち往生を知ったのは太陽が昇ってから
立ち往生のニュースを知ったのは、自分の仕事が終わった午前11時ころ。
自身が走行していた道路の対向車線で起きた出来事に、背筋の凍る思いでした。
検証されるべき渋滞の原因
今回の新名神高速道路での立ち往生に関して、報道で繰り返しいわれる渋滞の原因は次のようなものです。
- 名阪国道の通行止め
- 京滋バイパスの通行止め
- 三重県内での大雪
これらもそれぞれ要因の一つですが、そこに大津付近での路面凍結を加える必要があります。
事前の報道では路面凍結のおそれも伝えられていました。
しかし、雪への備えに比べて凍結への備えまで想定した人は少ないのではないでしょうか。
今後は路面凍結の危険性について、具体的な場所や起こりうる現象まで報道されることを望みます。
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
雪には強いスタッドレスタイヤも、路面凍結には無力だということを知っておかないとね。
立ち往生はいつ誰が巻き込まれるかわからない
立ち往生した車を悪く言うことはできません。
いろいろなことが重なって、たまたまあの場にいた人が不運にあったんだと思います。
立ち往生の真っ只中にいた人には、「どうして自分が?」と思った人もいるでしょう。
自身でできる最大限の努力をしたにもかかわらず、渋滞で身動きが取れなくなって立ち往生してしまった人もいるでしょう。
好き好んであの雪の中を走っていたんじゃない人もいるでしょう。
立ち往生は、いつ誰が巻き込まれるかわかりません。
他人の批判に終始することだけは避けたいものです。
![せとぐる](https://www.setoguru.site/wp-content/uploads/2022/11/cropped-setoguru2.jpg)
「せとぐる」はTwitterもしてるよ。
よかったら覗いてみてね。